ジャン&ジョゼのクローチェ兄弟を執拗に五共和国派殲滅に駆り立てる「クローチェ事件」については
これまでも断片的に描かれてきましたが、今巻ではついに
“その瞬間”まで描かれ、憎悪と悲しみの原点が綴られています。
GUNSLINGER GIRL 12 (電撃コミックス)相田裕
9巻のアンジェリカを除いて、これまで銃を持った少女が描かれることがほとんどだった本作品では
異例といえる普通の少女・エンリカが描かれた表紙。
二人の兄の“心を縛ってる”ようにもとれます。
婚約者ソフィアに兄を取られたと考え嫉妬するブラコンなエンリカ。
しかし献身的なソフィアに少しずつ心を開いていったその矢先に待ち受ける悲劇。
今でこそジャン&ジョゼは五共和国派・とりわけジャコモ=ダンテへの復讐心で
気持ちを支えてる面があると思われますが、仮に復讐が成就してしまったら
それこそ精神が崩壊するんじゃないかというくらいの悲劇ではあります。
さて過去編でクローチェ兄弟の行動の原点が詳細に描かれた一方、
現在のヴェネツィア事件の後日談では
再登場を果たしたあるキャラが社会福祉公社の殲滅をジャコモ=ダンテに依頼。
憎しみの連鎖が止まりません。
そして公社では確実にせまりつつあるジョゼとヘンリエッタの別れ……
まぁヘンリエッタはせめて幸せな記憶を持って逝ければまだいいですが、
ジャン&ジョゼはどう転んでも救いが無いですわな。
巻末の次巻予告ページに
五共和国派残余と社会福祉公社、最後の戦い 13巻、2010年冬発売予定
という記述。
この巻で収まるか14巻に続くかは分かりませんが、次の戦いで終わりでしょうか。
以前旧ブログ時代にも書きましたが、この作品に関しては
覚悟を持って結末を見守りたいと思います。
PR