2000年に宝島社「CUTiE Comic」で連載が始まった『ハチミツとクローバー』は
途中、集英社「ヤングユー」「コーラス」と掲載誌を渡りながら2006年に完結しましたが、
その前やハチクロ連載中に描かれた作者の初期の短編を集めたのが今回の作品集。
スピカ 〜羽海野チカ初期短編集〜 (花とゆめCOMICSスペシャル)羽海野チカ
104ページと薄めな代わりにサイズはA4と少し大きめ。
掲載作品は「冬のキリン」「スピカ」「ミドリの仔犬」「はなのゆりかご」
「夕陽キャンディー」「イノセンスを待ちながら」の6本。
巻頭の「冬のキリン」はオールカラー6ページ。
2000年の作品ですが、羽海野作品の特徴の一つである帯状のモノローグは
こんな初期から使われていたんですね。
続いて表題作「スピカ」は28ページ。
野球部副部長・高崎はふとしたきっかけで同じクラスの転校生・美園と接点を持つ。
彼女が転校後ほとんどクラスの者と会話が無かった理由は、
バレエのレッスンに忙しいせいだった。
しかし「好きな事を続ける」ことに自信が持てなくなった美園は次第にバレエが不調に。
そんな彼女に高崎は…
2002年の作品。
セーラー服の黒髪ロングな女の子のバレエを意識した無防備なターンに
ときめく野球部男子…いいなぁこの王道展開。
この短編集の中では一番好きな作品です。
それにしても羽海野先生はメガネ男子好きなんだなぁと。
あと作品後のコメントにもありましたが、上記カットの美園と右の部長は
確かに『3月のライオン』のひなちゃんと高橋くんの原型だなぁ。
あと、今ちょっと時間無いんで残りは駆け足で。
「ミドリの仔犬」「はなのゆりかご」はキオという少年が主人公の連作。
「夕陽キャンディー」は少しだけボーイズラブ要素を含む短編。
「イノセンスを待ちながら」は押井守作品について語ったエッセイ漫画。
ハチクロ、ライオンで既に羽海野作品が好きな方なら必読ですし、
まだ羽海野作品を未読の方にはお試し用の1冊として。
なお巻末コメントによると、この単行本の印税はすべて
東日本大震災での被災地への義援金にあてるとのこと。
3月のライオン 6 (ジェッツコミックス)羽海野チカ
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